
京都のまちなかには、建て替え時期を迎えた住宅が数多くあります。それらの中に、一見して耐震、耐風性、防火性能の劣化した建物が多く見受けられますが、普段何気なく暮らしている間は気がつかなくても、大地震や火災が発生した時、これらの建物は、居住者に対して凶器になる場合があるのです。
街の安全性を高めるため、これらの建物は早い段階で建て替えることが必要なのですが、様々な理由で、建て替えたくても建て替えが出来ない住宅があります。そのような住宅を、建て替えという手法ではなく、耐震性や耐風性、防火性能を飛躍的に高め、寿命を30年以上延ばすことを目的とし、構造の大補強をベースとした、良質な社会ストックとして再生させるのがリノベーションです。
また、リノベーションは、断熱や気密、建物のデザイン性にも配慮、配管や電気配線などはほとんど新規設置し、外部、内部ともに、視覚的、構造的にも新築となんら変わらない住宅となります。
リノベーションは単なるリフォームではなく、老朽化した建物を根底からすべて再生させる、ゼロ独自の建築手法です。このような再生により、京都のまちなかをより美しく、より安心安全にすることが、今後のゼロの大きな目標です。
今回採択された 「京都型リノベーションシステム 」とは、老朽化の進む市内密集市街地の現状を踏まえ、建物の性能を向上させ、かつ市内産材を利用した改修工事を行うことにより、建物寿命を延ばし、低炭素型社会の実現に向けて良質な社会ストックとして再生させるリノベーションシステムです。
木造軸組工法のメリットを生かし、柱 ・梁等の劣化状況により、各部材ごとの交換をします。耐震性能、断熱性能、耐久性、維持管理の容易性、耐火性能を上げることで、建築当時以上の建物性能を持たせ、さらに長期間の使用に耐えられる建物にします。
改修工事では、構造材や化粧材に京都市が地域産材として認定した「みやこ杣木」をできるだけ使用し、市内の森林資源の整備促進につなげます。また、お施主様の希望により、前建物の古材を保管し、改修建物に再利用することで、建物の低炭素化を目指します。
定期点検を実施することにより、構造を10年保証します(条件により最長20年まで延長可能)。また、設計図書を初めとする改修時のすべての資料、点検 ・メンテナンス時の情報、履歴を保管し、所有者変更時にも対応できる長期的な維持管理システムを構築します。